三月の雨(Águas de Março)

rain

人見知りのする飼い猫が、来客があるといつの間にか、外へ出かけて行ってしまうように、知らないうちに三月は過ぎ去ってしまう。今日は三月最後の日曜日で、朝からポツンポツンと雨が降っている。

エリス・レジーナ(Elis Regina)とアントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)のデュエット曲、『三月の雨(Águas de Março)』を思い出す。

南半球の三月は季節的には、日本の九月頃になるのだろうか。楽しい雨音のリズムと夏から秋へうつろうときの寂しさが同居した、不思議な気分にさせられる音楽だ。

木 石 道の終わり 切り株 少し孤独 ガラスのかけら 命 太陽 夜 それは死 森を抜ける風の音 はるかなる神秘 三月の流れの中に雨がふりそそぐ 飛びたつ鳥たち 井戸 小川 少し孤独 (以下省略)

歌詞:アントニオ・カルロス・ジョビン

日本語で今の気分に近い表現は、次の句。与謝蕪村の俳句には音楽的な時間感覚を感じる。『三月の雨』の歌詞の一部であってもおかしくないと思うのは僕だけかもしれないが。なんとも言えない春先のメランコリックな空気感が漂っている。

春雨や暮れなんとして今日も有

与謝蕪村

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