タンペレ・フィルム・フェスティバル

タンペレ・フィルム・フェスティバル

タンペレ・フィルム・フェスティバルという、毎年三月の初め頃にフィンランドのタンペレで開催される国際映画祭がある。フィンランドにおける若手の映像作家を中心としたコンペティションだ。

2015年の今年も、ちょうど先週開催されていた。2年前の三月にたまたま別の用事でタンペレに来ていたのだけれど、友人の映像作家のSanni Prihaが監督した作品がエントリーしていて、運良く彼女の作品を観ることができた。

映画祭は、タンペレ市内に点在するいくつかの映画館を利用して行われる。その一つがPlevnaという劇場で、Sanniの作品もここで上映された。

Plevnaは、北欧の老舗テキスタイルブランドであるフィンレイソン(Finlayson)の工場地帯の一角にある建物で、19世紀末には、エジソンの発明したランプを製造する工場だったみたいだ。1999年頃に映画館とカフェやレストラン、ショップなどが入る複合施設に改装されたようだ。

上の写真は、うちの奥さんが撮ったPlevna内の女性用トイレの写真。とても派手ですね。こういうの好きだな。書いてあるのは、例えば、別の写真を見ると「ペッカ(フィンランド人男子の名前)ってカッコイイ!」とか、フィンランド語の four-letter word など。

僕は女性トイレには詳しくないけれど、このへんは世界共通なのかな、たぶん。男性トイレはどうだったか全然覚えていない。もっと地味だったんじゃないかな。

僕は映像作品について、好き嫌いは別として批評できるような眼力は持ち合わせていないが、上映された映像作品は、どれもクオリティの高いものだっと思う。残念ながら観ることはできなかったが、Yuichi Suita という日本人と思われる方の監督作品も作品リストにはあった。

アキ・カウリスマキは三回の大学受験に失敗している

ところで、フィンランドが映像作家を育てる気合は相当なもので、ヘルシンキのAalto大学の映画・映像コースでは、ジャンボジェット機の操縦士を育てるのと同じ程度の国家予算が、映像作家一人の育成に費やされているともいう。そう言われると、なんだかすごい気がする。

ちなみに、フィンランドを代表する映画監督、アキ・カウリスマキはこの大学を三回受験して、すべて不合格になっている。脚本が暗すぎる、というのが大学側の理由だったらしい。ごもっともな意見だと思うが、だからといって不合格にしなくてもいいのに。しかも三回も。

「アキ・カウリスマキはそのときの怨念を原動力に映画を撮り続けた」というのは僕の勝手な意見。彼の反骨精神は半端ないと思うけれど。どちらにしても作品の良し悪しと学歴は関係ない、と思いたい。

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