CD

車内が礼拝堂になる東名高速のバッハ

過日、東名高速道路を三河方面に向かって、月一回開催の読書会のため土曜の午前車を走らせていた。車は父から借りたもので、比較的年式が古く、カーオーディオにはラジオとCDプレーヤーがついているが、Bluetooth接続機能はない。朝から曇天の雨模...
日々

マーロウいっぱいの桜

近所の桜の木の下に花がたくさん散っていた。雀が蜜を吸うためにちぎって落とした蜜の吸い殻だ。マーロウのビーカーいっぱいになるまで拾い集めた。部屋に持ち帰って蓋をして眺める。しめた蓋をとると、ふわっと甘い蜜の香りがした。鼻先を埋めて匂いを嗅いで...
フィンランド

ヤリさんと兄貴たち

フィンランド国民学校の教師は皆個性的だった。初秋にスタジオポートレート入門を担当したヤリさん(Jari)もその一人だ。歳は40を少し過ぎたぐらいだったと思う。細マッチョの長身にレザージャケットとレザーブーツをまとい、髪はポマードでリーゼント...
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フィンランド

どうだった?フィンランド

フィンランドに住んでたことがあるって言うと、まず、フィンランド?なんで?って訊かれる。去年、地元の新聞社から取材を受けたとき記者からそう質問されて考え込んでしまった。きっかけはそれなりにあったにせよ、なぜ?と聞かれても。ムルソーのように「太...
日々

手帳にも日向ぼっこを

2月のこの時期、天気のいい日には昼から3時ごろまで、いい角度で太陽光が部屋に差し込んでくる。それが日向ぼっこにちょうどいいのだ。外では木枯らしが吹いているのに、部屋はぽかーっとあたたかい。ときどきオイルラジエータのWÖSABがぶうんと唸る。...
読書

ドゥームズデイ・ブックが呼んだ

買ったはいいけれど、読まずに寝かせてある本がある。ときどき本棚を眺め、手に取ってパラパラとやるのだが、すぐに棚に戻してしまう。そうしてしばらくたったある時、本が呼ぶというのか、読むタイミングがあって、すんなり読み始めることができたりする。名...
レコード

肉は喰うけど、ザ・スミスのMeat Is Murder 国内盤

The Smiths Meat Is Murder去年2023年11月末、ザ・スミスの中古レコード"Meat Is Murder"を買った。"How Soon Is Now?"の入った国内盤だ。行きつけの中古レコード店にザ・スミスのアルバム...
日々

恵那寿やの栗納豆

栗納豆栗納豆は今まで食べたことがないはずだが、でもどこかで食べたことがあるかもしれない。だとしても覚えていないなら食べたことがないのと同じだ。その栗納豆を一粒もらった。さっき、机の上の栗納豆を眺めながらコーヒーを飲んでいたら、食べてもいない...
短篇小説

#049 ハインリヒ・フォン・クライスト「ロカルノの女乞食」、女幽霊の跫音

ハインリヒ・フォン・クライスト「ロカルノの女乞食」種村季弘訳イギリス南部のリゾート地、バースを舞台にしたロアルド・ダールの「女主人」では、生きている女が恐ろしいと思ったが、やっぱり女の幽霊も恐い。この短篇小説の舞台はスイス南部のリゾート地ロ...
フィンランド

死者の日にVammalaで

Vammala 2005 Finland怪談といえば日本では8月だが、フィンランドでは、死者の日がある11月が相応しいかもしれない。11月の初旬、フィンランドの南西部の町、Vammalaに友人を尋ねて滞在していたときのこと。当時のメモによれ...
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