短篇小説

じつぷり
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短篇小説の短い感想。ゴドクを含む。

短篇小説

#049 ハインリヒ・フォン・クライスト「ロカルノの女乞食」、女幽霊の跫音

ハインリヒ・フォン・クライスト「ロカルノの女乞食」種村季弘訳 イギリス南部のリゾート地、バースを舞台にしたロアルド・ダールの「女主人」では、生きている女が恐ろしいと思ったが、やっぱり女の幽霊も恐い。 ...
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#048 星新一「肩の上の秘書」、AI搭載のインコ型ガジェット

インコにつぶやくゼーム氏 真鍋博による挿絵 新潮文庫旧版 近未来のゼーム氏もの。主婦、部長、バーのママなどと会話しているようで、実際は、肩の上のインコ型ガジェットにつぶやいているだけのゼーム氏。そうす...
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#047 マンスフィールド「園遊会」、食パンダッシュ少女の元祖

キャサリーン・マンスフィールド「園遊会」 小説の始まりのところで、主人公の少女ローラがバタつきパンを持って庭に飛び出すシーンがある。 English text  Away Laura flew, st...
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#046 サキ「話上手」| Saki, “The Story-Teller”

Templecombe on Apple Maps 2023 ある暑い日の午後、イングランド南部のテンプルコウムに向かう列車内で、叔母に連れられた小さな女の子二人と男の子一人に、たまたま同席した独身男...
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#045 尾崎翠「松林」、小さな松毬のような踝

Ankle, 『しぐさの英語表現辞典』小林祐子著 画:改田昌直、クロイワ・カズ、研究社 おそらく初夏の黄昏時、浜つづきの松林を彼とペツトの犬(太郎)がじゃれ合いながら散歩をして、帰っていく。 それだけ...
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#044 大江健三郎「奇妙な仕事」、ふくらはぎを指の腹で

Leg, 『しぐさの英語表現辞典』小林祐子著 画:改田昌直、クロイワ・カズ、研究社 三月の終わりに附属病院がアルバイトを募集している。実験用に飼っていた犬150匹を処分する仕事だ。この大学の学生である...
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#043 フリッツ・ライバー「バケツ一杯の空気」、世界終末後のラブストーリー

Snowing night, Joulukuu Finland 2003 世界の終末後を描くポスト・アポカリプスものといったら、真っ先に思い浮かぶのがこの短篇小説だ。 だしぬけにあらわれた暗黒星が太陽...
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#042 ロアルド・ダール「おとなしい凶器」、メリーさんのアイロニー

Öland Sweden 2003 木曜日の午後5時、子羊のように善良で従順な妻メリー・マロウ二(Mary Maloney)は、夫パトリックが仕事から帰ってくるのを待ちわびている。家は暖かく整えられて...
収録作品

収録作品:ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』伊藤典夫編・訳

ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF) | ロバート・F・ヤング 九月は三十日あったThirty Days Had September 魔法の窓Magic Window ジョナサンと宇宙クジラJ...
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#041 ロバート・F・ヤング「九月は三十日あった」、ヤングのSeptember Love

ロバート・F・ヤング「九月は三十日あった」伊藤典夫訳 時は2061年、学校教育が完全民営化され、学校や教師が絶えて久しいアメリカ。春のある日、妻子ある男が会社帰りに学校教師を買って帰る。 ダンビーは古...
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