暗室の守り神、黒いノルウェージャンフォレストキャットのイェイカ

2003年から2004年にかけて、タンペレのセンターからバスで一時間ぐらいのところにある、人里離れた森のなかの国民学校に留学生として住んでいた。僕とうちの奥さんはその学校創設以来、初となる日本人の学生であり、かつ初めての外国人ですらあった。

フィンランド人100%という環境で、なかなか馴染むことができないときに友達になったのが、黒いノルウェージャンフォレストキャットのイェイカだ。

彼女は、森の中の一軒家に住む先生の飼い猫で、森を自由に動きまわったし、登りたい木があれば登った。僕はその姿をたくさん写真に撮った。

暗室にもしょっちゅうやって来ては、軽やかなステップでみんなを驚かせた。呼ぶと走って近づいてきて、足元にクルクルとまとわりついてくる。

とても人懐っこくて、寂しがり屋でもあった。写真学科の先生や生徒たちは、彼女を「暗室の守り神」として、とても大切にしていた。

ところで、フィンランド人たちがイェイカを写真に撮っているところを見たことがなかった。その一方で嬉々としてイェイカの写真を撮りまくる僕の姿を見て「そんなに猫が珍しいのか。日本には猫はいないのか」と不思議に思われていたかもしれない。僕からすると、何でこんなフォトジェニックな被写体を写真に撮らないのかと思うのだけれど。

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