『のだめカンタービレ』を大人買いする

日々
Tallinn Estonia 2003
Tallinn Estonia 2003

大人歴が四半世紀をすぎた年齢になって、はじめて「大人買い」をした。買ったのは、漫画『のだめカンタービレ』 (二ノ宮知子)全25巻だ。近所のブックオフで2,000円だった。

クラシック音楽を聴いていて個人的に面白いと思うのは、例えば、ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 Op. 13》にモーツァルトの《ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K. 457》と同じような旋律を聴くなどして、それ以前の作曲家の影響を発見することでもあるのだけれど、『のだめカンタービレ』でも、魔夜峰央『パタリロ』風の諧謔性や、父息子間の葛藤に『美味しんぼ』との類似性を見つけたり、『ナウシカ』のパロディがあったりと、ぼくのわかる範囲で楽しむことができる。

30代半ばからフィンランドで数年間過ごしてから、シベリウスやアルヴォ・ペルト、グリーグなどの北欧系を好んで聴くようなったが、『のだめカンタービレ』を読んでいると、むしろクラシック音楽の王道である、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンをあまり聴いていなかったことに気づかされる。(マーラーやシェーンベルクがあまり登場しないのは、作者の好みだろうか。)

ところで、大人だからというわけではないが、漫画を買うだけでは済まない。作中で演奏される楽曲のCDを買い求めたくなるし、さらには生の演奏を聴きたくもなる。

どちらかと言えば、うちの奥さん(A)が漫画好き(いろいろ読んでいる)で、ぼく(B)がクラシック音楽好き(あまり詳しくない)なので、ぼくらの共通部分、A ∩ B、に『のだめカンタービレ』が位置していたのだけれど、『のだめ』を読み始めてから、彼女のほうがクラシック音楽に目覚めてしまったようだ。

ちょうど今年開催されている第42回名古屋国際音楽祭で、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、エストニア・フェスティバル管弦楽団の演奏会が、愛知県芸術劇場コンサートホールで4月に予定されているが、それに行きたいと言い出した。

曲目は、シベリウス《フィンランディア》、アルヴォ・ペルト《ベンジャミン・ブリテンへの哀悼歌》、その他プロコフィエフとチャイコフスキーなど。チケットはS席とA席が残りわずか。A席でも二人で3万円だ。さて、どうしたものか。

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