フィンランドにエビフライを幻視したこと

エビフライ

僕は勝手な思い込みから勘違いをすることがよくある。特に視覚的に似ているものについて、認識の誤作動や類推を起こしやすい質みたいだ。

名古屋で市バスや地下鉄を利用していると、「ハッチー」というマスコットキャラクターを所々で見かける。僕はこの「ハッチー」をずっとエビフライのキャラクターだと思っていた。「名古屋だからエビフライか、でもそれってどうなんだろう」という感じで。

だから、見て見ぬふりというか、あまり「ハッチー」をあまり直視せずにいた。でも実際は、名古屋城の金のシャチホコ、いわゆる「金鯱」をモチーフにデザインされているらしいことを最近になって知り、複雑な思いもあったがまずはホッとした。

だいぶ古い話になるけれど、タモリが「エビフライ」を「エビフリャー」と発音して名古屋を揶揄していたことがあった。名古屋の人が「エビフリャー」なんて言うのを聞いたことはないんだけれど。

実際は名古屋とエビフライは何の関係も無いはずなのに、いつの間にか名古屋=エビフライという図式が、世間的にも自分の中にもできてしまったみたいだ。

また、これと似たような視覚の類推かもしれないけれど、僕はフィンランドの地図を見るたびに、その国境の形がどうしてもエビフライに見えてしまう。

以前、フィンランドのKarjaaで初級フィンランド語を習っていたときのこと。授業で北欧の地図を見ながら、「フィンランドは国の形がKaniini(ウサギ)に似ているね」という先生のコメント対して、生徒の多くが好意的に賛同する中、僕も「Joo, kyllä」とその場の空気に適当に同調していたが、「フィンランドはエビフライにそっくりだなあ」と密やかに得心していた。

一緒に授業を受けていたうちの奥さん(僕と同じく生粋の名古屋人)にあとで聞いたら、彼女も「フィンランドがエビフライ見えてしまい困った」と言っていた。

Finland in Europe (-rivers -mini map)

同じモノを見て、類推するものが「ウサギ」と「エビフライ」ではだいぶ違うが、事実なのでどうしようもない。「フィンランドがエビフライに見えるんですが」なんてことをフィンランドの友達に言ったらどうだろう。怒るだろうか。今度機会があったら、エビフライを一緒に食べながら話してみよう。レモンを絞って、ソースもかけて、揚げたてのをサクサクと。こんなことを考えていたらすごくエビフライが食べたくなってしまった。

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