肉は喰うけど、ザ・スミスのMeat Is Murder 国内盤

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The Smiths Meat Is Murder
The Smiths Meat Is Murder

去年2023年11月末、ザ・スミスの中古レコード“Meat Is Murder”を買った。“How Soon Is Now?”の入った国内盤だ。

行きつけの中古レコード店にザ・スミスのアルバムが数枚売りに出ているのを聞きつけ、値段も手の出るレベルだったのですぐに買いに走り無事入手した。

近頃ザ・スミスの中古レコードは、なかなかお目にかかることのできないレアものになってしまった。しかもかなりの高値がつく。そのわりにすぐ売れてしまうので入手が難しい。

念願のザ・スミスのレコードなのに買ってからしばらくの間、封を開けようという気にもならなかった。レコードの「積読」状態だ。手に入れてとりあえず満足したのかもしれない。

そのまま年を越し2月を十日ほど過ぎた頃やっと、そろそろターンテーブルに載せてみようかと思ったのは、ザ・スミスを初めて聴いた頃の春先の光とか空気感を感じとってのことだろうか。虫みたいだ

ザ・スミス初体験は16歳。”Meat Is Murder”が日本でリリースされたばかりの1985年の3月末から4月のちょうど春休みに、レンタルレコードをカセットテープに録音しながら聴いたのが最初だ。

時代的にはちょうどCDプレーヤーが一般的に普及し始める頃で、その翌年のお正月には、お年玉でKENWOODのCDプレーヤー、DP-1000(定価 ¥69,800)を買っている。その後すぐ同アルバムのCDを買ってからはCDで聴くようになった。

当時、近所にあった太陽サウンドオンというレコード店にはレコードとCDの両方が販売されていた。そこでザ・スミスのレコードも見かけることがあった。タイムマシンがあったら「いいからレコードも買っとけ」と、高校生の自分に言いに行きたい。

それにしても、当時からかれこれ40年近くたっているのに、けっこう値の張る中古レコードを買いに走らせる衝動は一体何なのだろう。

「動物の生活史のある時期に、特定の物事がごく短時間で覚え込まれ、それが長時間持続する学習現象の一種」を刷り込みというが、同種の現象なのではないかと思われる。虫というより? あるいは、精神年齢が10代で止まっているのか。

日本盤の発売元は、自分の世代ではアニメージュでお馴染みの徳間書店。帯のコピー「肉喰うな!」は、INUのアルバム『メシ喰うな!』(1981)にそっくりだ。コピーライターが同じか、あるいは町田町蔵(町田康のファンだったのかもしれない。

ちなみに自分は肉を喰うメシを喰うパンもクう。歳も多少喰った。刷り込みといっても音の嗜好に限定されているのだ。

中古レコード店では”Meat Is Murder”ともう一枚“The World Won’t Listen”も勢いで買ってしまった。日本盤のリリースは1987年4月。せっかくなのでその時期まで聴かずにおこうと思っている。


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