5分進めたMONDAINE

MONDAINEの懐中時計
時を止めたMONDAINEの懐中時計

MONDAINEの懐中時計の針が止まっていた。20年以上使っているが、ほぼ18ヶ月毎に電池切れになることを最近知った。

裏蓋を開けて古くなったボタン電池を取り出す。気まぐれに時計の針を10時10分に合わせておいた。

電池の型番を確認し、ネットでパナソニックのSR-920SW [酸化銀電池 1.55V]を注文した。

2日後の午前10時すぎ、配達の人がやってきた。この時間帯の配達はいつも午前11時以降なのに1時間ほど早い。

すぐに開封しMONDAINEに新しい電池をセットした。

スマホで現在の時間を確認する。10時5分。MONDAINEの針を5分戻そうとして、あっ、と思って手を止めた。

針を合わせる必要がない。なぜなら、このMONDAINEは常に5分だけ時を進めてあるから。

2日前にセットした10時10分から再び時が動き出していた。

一九九四年(五十七歳)
一月十六日(日)
【偶】止まったまましばらく使ってなかったボストーク(腕時計)のネジを巻くとちゃんと動く。これはいいとその日腕につけて出る。夜、日付けを合わせておこうと気が付くと、日付け表示はピタリ本日。

『世の中は偶然に満ちている』赤瀬川原平著 赤瀬川尚子編 筑摩書房

コメント

タイトルとURLをコピーしました