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積読解決法

日々
仙太郎の包装紙で折ったブックカバー
仙太郎の包装紙で折ったブックカバー

お早く お召し上がり 下さい

仙太郎

本屋のレジで、カバー(包装)が必要かどうか尋ねられると、お願いします、と答えるのが物心ついてからの習わしになっている。

本のカバーは単なる飾りではなく、ぼくのような粗忽者にとっては、本を保護するという実際上の必要があるからだ。

古本の場合は、古書店でカバーをつけてくれることがあまりないので、手元にたまたまある包装紙を適当に選び、自分で折ってカバーにしている。本とカバーとの間には何の関係もないはずだが、なんとなくその本に合ったそれらしい包装紙を選んでいるようでもある。

日本の和菓子屋さんとロシアのSF小説との間にどんな関係があるというのだろう。去年、神田神保町の古本市で入手し、積読1年が過ぎようとしているストルガツキーの『収容所惑星』に仙太郎を選んだのは、「さっさと読んでしまいなさいな」と、あたかも背を押すかのような言葉に促されてのことかもしれない。

仙太郎の包装紙は、店のロゴや文字がなくスッキリとし、紙質もしっかりしていて、本の保護にピッタリなので、和菓子と読書が好きな人におすすめの組み合わせだ。ただし、積読本の解消につながるかどうかはまったくの未知数である。

ところで、仙太郎本来の和菓子としての包装紙の中身は、季節の和菓子「くりもち」と「渋栗むし」だった。たちまち胃の腑におさまったのは言うまでもない。


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