フィンランド

マンネルヘイミン通りのストーリーテラー

Helsinki 2006 僕は外国にいると、見知らぬ人からよく声をかけられる、ような気がする。不慣れな外国で、突然声をかけられるので驚くのだけれど、そのことで嫌な思いはしたことがない。むしろそこに住む人々との偶然に発生するちょっとしたコミ...
短篇小説

#004 ピエール・ガスカール「小さな広場」、指先でぷにゅっとしたくなる

新明解国語辞典 第五版(小型版) フランスの小説家、ピエール・ガスカールの短編小説「小さな広場」を読んでいたら「膕」という漢字がでてきた。ぼくはよく彼女の通り道で土いじりをしていたので、彼女の踵が顔すれすれに土を踏みしめたり、黒いスカートが...
日々

堀田善衛「プロクルステスの寝台」 『天上大風』所収 ちくま学芸文庫

天上大風ある作家との出会いがいつだったかをはっきりと憶えている場合がある。もちろんその作家が書いた書物を通してという意味で。例えば、コナン・ドイルとは、小学6年生の夏休みに、6才ぐらい上の従兄弟の本棚に『シャーロック・ホームズの冒険』を偶然...
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フィンランド

シェイクスピア劇のような結末、日本 2-1 イングランド

今朝の9時頃、すでに蒸し暑くなり始めた空気のなかフウフウいいながら今日することや予定を確認しているところへ、フィンランド人の恩師、S.G.からメールが届いた。
日々

グレー色の空

keskiharmaa色という色、形という形がパールグレーの靄(もや)に溶け、明暗も色の濃淡も失われて、輪郭の定かならぬ、光だけが息づく階調が存在するようになるのです。すべてがおぼろに霞む中で、ほんの一瞬なにかの影がふっと浮かび上がるー今で...
フィンランド

フィンランド語の先生、Maijaさんに褒められた反省文

Lärkkulla 2005 KarjaaにあるLärkkullaというKansanopisto(フィンランドの国民学校)に住みながらフィンランド語と英語を習っていたことがある。初級フィンランド語のクラスでは、学生たちの年齢は、10代後半か...
フィンランド

日本で初めてのヘレン・シャルフベック / Helene Schjerfbeck 展、でも名古屋には来ず

Jyväskylä Finland 2006 どんな用件でも、フィンランドの友人知人からメールなり、ハガキなりが届くととても嬉しい。昨日、フィンランドのTammisaari (スウェーデン語では Ekenäs)に住んでいる知人のNinaさん...
フィンランド

Made in FinlandのAKとMade in RussiaのNokia,トマス・ピンチョン『ヴァインランド』 Thomas Pynchon / Vineland

Nokia (Made in Russia) 小説や映画の中で「フィンランド」という単語を見つけたり聞いたりすると嬉しくなる。それが全く予期していない時はなおさらに。最近初めてトマス・ピンチョンの『ヴァインランド』を読んだ。その中で「フィン...
短篇小説

#003 スティーヴン・キング「魔性の猫」、ハチワレ猫の復讐

猫の顔は、まっぷたつに割れていた 片側は白く、片側はまっ黒だったのだ。黒と白をわかつ線はたいらな額のてっぺんから鼻の頭を抜けて口まで、一直線に走っている。 スティーヴン・キング「魔性の猫」白石朗 訳(『夕暮れをすぎて』所収)文春文庫 The...
短篇小説

#002 カズオ・イシグロ「夕餉」、黄昏時のホラー

口の重い語り手、鎌倉の古い日本家屋。小津安二郎監督がラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の小説を映画にしたら、こんなふうになるのではないか。
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