未来は間に合っています。Ei mainoksia kiitos!

Newspaper people on bus / Helsinki 2006
Newspaper people on bus / Helsinki 2006

「悪いが間に合ってる」
トム・クルーズ主演の映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の中で、「未来」を売りに来たと言い放つイーサン・ハントに、「個人経営の防衛仲介者」が返すこのセリフが気に入っている。アメリカ政府のエージェントから買わなければならないほど、「未来」には困っていないという、武器商人としての矜持が伺える。ちなみにDVDの英語字幕では以下のようになっていた。

EH(Ethan Hunt): And you’re an arms dealer.
Bogdan: He’s “independent defense coordinator.”, Right?
Arms dealer: You want something from me, you pay.
EH: You misunderstand. I’m not buying. I’m selling.
Arms dealer: You are selling. Selling what?
EH: The future.
Arms dealer: Yeah, I got all I need, thank you.

Mission: Impossible – Ghost Protocol

我が家には、平日、土日、祝日を問わず、いろいろな「エージェント」がやって来る。NHKの受信料の契約、新聞の購読、宗教の勧誘、廃品回収業者。どれも僕らには必要のないものばかりだ。NHKについては、テレビを持っていないし、あったとしてもテレビはまず見ない。

新聞は読まない。読みたい記事があれば、いやそんなことはもうないだろう。宗教は、八百万の神々で間に合っている。廃品回収品があれば、市や自治体が運営する回収サービスを利用している。

「エージェント」たちは、こちらの都合を考えずにインターホンを気軽にピンポーンと鳴らして、僕とうちの奥さんをドキッとさせる。不在のときには、玄関の郵便受けにどんどんチラシを入れていく。僕らにとってはそのチラシはゴミにしかならない。我が家の郵便受けはゴミ箱ではないし、「悪いが間に合っている」のだ。

郵便受けに貼り付ける「チラシお断り」に該当するステッカーはフィンランドでもよく見かけた。フィンランド語で、Ei mainoksia kiitos! ヘルシンキではたいていのフラットの郵便受けに貼ってある。それだけ不要なチラシが入ってくるのだろうか。その辺の事情は日本とあまり違いはないみたいだ。

フィンランドだろうと日本だろうと、現実の世界であろうと、インターネット上であろうと、結局自分が本当に必要なものは、こちらから出かけて行って、求めない限り手に入らないのかもしれない。それはそれで難儀ではあるが。

かくいうこのサイトも広告を掲載するようになった。すみません。このブログが誰かの役に立っているとは思えないけれど、せめて「間に合っています」とか「Ei mainoksia kiitos!」とか言われないように心掛けたいと思っている。でもまあ、どうせ売りに来るのなら、誰か「未来」を売りに来ないだろうか。

にほんブログ村 海外生活ブログ フィンランド情報へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました