たくさんあったのに、せっせと飲んでいくうち、最後のひとつぶになった乾燥羅漢果が、しばらく前から保存カンの底にぽつんと残ったままになっていた。
キウイフルーツのようにも見える謎の楕円物体、羅漢果。
カンからラカンカを取り出してみると、テニスボールのように軽い。
掌でバリバリと殻を砕き、実をちぎりながら、たっぷりのお湯を沸かした鍋にほうりこむ。
煮えのついた琥珀色をながめ、ちょっと京番茶に似た香ばしい匂いをかいで、この前飲んだのはいつだっただろう。
冷やしてもいいが、ふうふうしながら晩夏に、あったかいのを飲むのも、乙なものだと思った。
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