じつぷり

日々

犬がニコニコ笑っていた

Jyväskylä 2005 近所で柴犬が散歩していた。飼い主の中年女性はうつむいてスマホをいじっている。 犬がこちらを見上げた。ニコニコ笑っている。なんか嬉しい。しっぽを振ってこっちにこようとする。そばにいくとズボンに前足をかけてきて、上...
フィンランド

ノーザンライツには届かなかった

Finland 2004 オーロラが空全体を覆い尽くす妖艶なまでに青い燐光を帯びて天空を変幻自在に揺れ惑う夜の巨大なカーテン霊妙な命をほとばしらせて舞い踊る巨大な光の蝶高柳誠『放浪彗星通信』書肆山田 2017 フィンランドのタンペレ郊外にあ...
日々

死神博士のジョゼフ・コーネル

先日思いがけず、ジョゼフ・コーネルの作品を観る機会にめぐまれた。名古屋ボストン美術館での最終展『ハピネス~明日の幸せを求めて』を訪れたときのことだった。
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フィンランド

他力による扉ひらけ

フィンランドのバス停では、自分が乗るバスが近づいて来たら、手を挙げてバスの運転手に合図を送り、乗車の意思を伝えなければならない。だれも手を挙げず、かつ、降りる人がいなければ、バス停に人がいてもバスは通り過ぎる。
日々

IKEAのインチ・メジャー(無料)

イケアのインチメジャー IKEAからカタログが郵送されてきた。去年、愛知県の店舗がオープンしたとき以来だ。今年(2018年)は創業75周年だそうだ。 カタログをパラパラめくってみる。困った。欲しいモノがなにもない。いや、困ることはないのだが...
日々

シベリウスの頭上を舞う鳳凰

今年5月のゴールデンウィークに、家の近所で平面的鳳凰を見かけた。迷い猫のように途方に暮れている様子だった。知らん顔もできないので、日本の法律に従い、然るべき方面に届けた。 それから3ヶ月ほど経った8月初旬、所轄警察から、8月2日までに元の持...
日々

猫曜日

ある休日の朝、うちの奥さんと。 きょう、どうする? 朝ごはん食べたら、パァーと外にでかけたいな。昼はどこかで適当にすませてさ、疲れたら家に帰ってゴロゴロして、夕ごはん食べたら近所を散歩して、帰ってきたら寝る、っていうのはどうだろ? 猫みたい...
短篇小説

#020 レイ・ブラッドベリ「階段をのぼって」、子供だった時のまま待っている

夜、畳に敷かれた布団に入り左側にからだを向けると、すぐ眼の前にガラスのふすまがあった。ガラスには宇宙の星々を思わせる模様があり、入側の外の街灯の光がガラスの星々の背後に重ねて映す庭木のゆらぐ影を、ぼんやりと眺めているうちに、ぼくは眠りに落ちるのだった。
フィンランド

ViiliとUkkoneの老婦人話

フィンランドにあって日本で見かけない食べ物がある。フィンランドのスーパーマーケットでは乳製品の冷蔵棚に出向けば必ず見つけることができるその発酵食品と出会ったのは、フィンランドを初めて訪れたときのことだった。
フィンランド

ヘルシンキの外国人

ヘルシンキのホテルで宿泊拒否にあいそうになったことがある。中央駅近くにあるホステルのような小さなところでの、ささいな出来事だったが、いまだに印象に残っている。
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