『IKEA 2018 やっぱり、家がいちばん』
先日、郵便受けに約20センチ四方、厚さ1センチほどのカタログが投函されていた。表紙に大きな白い字で「IKEA®」とある。今年の十月に、名古屋市の東隣にある長久手市にオープンしたばかりのスウェーデンの家具メーカー、イケアストアのカタログだった。
ヘルシンキに住んでいたころ。徒歩で30分ぐらいのところに、IKEAのVantaa店があった。うちの奥さんと一度だけ、散歩ついでにのぞいてみたことがある。巨大な倉庫付きの家具屋といった趣きの店内をブラブラして、何枚か写真を撮影したことを思い出した。
手元のカタログをパラパラめくっていくと、途中に「イケアレストラン&カフェ」のページがある。そこに旨そうなミートボールの写真を見たとき、うちの奥さんの表情が一瞬曇った。フィンランドのIKEA Vantaa店を訪れたときは、ポテトチップスを二袋買った以外、特に何も買わずに帰ってきたと思っていたが、彼女の記憶では、そのときミートボールも買っていたらしい。しかもすごく不味かったとのこと。ぼくにはその記憶がまったく抜け落ちている。
彼女はもともと肉がそんなに好きではない。それに、ヘルシンキでよく食べていたユーロショッパーの安いだけで不味いミートボールの記憶が、IKEAのミートボールと重なって、ミートボール全体に対する不信感に繋がってしまったのかもしれない。「ミートボール」と聞くだけで胸がムッとしてしまうほど、いやな記憶となっているようだ。
小原村で伝統の手漉き和紙を作っている知人宅を今年の8月ごろ訪れた時、近くにIKEAができるのをとても楽しみにしていた。理由はミートボール。「スウェーデン式のミートボールが食べられるみたいだよ、旨いらしいよ」とニコニコと嬉しそうに期待に胸を膨らませていた。IKEAは「世界最大の家具量販店」のはずなんだが。
うちの奥さんの過去のつらい思い出を払拭するためにも、IKEAのミートボールの味を確かめに行かなければならないとしても、ミートボールを食べに行くためだけに、わざわざ地下鉄と運賃の高いリニモを乗り継いで行くのはためらわれる。
そう思っていたら、最寄り駅のリニモ「公園西駅」を利用した人にソフトクリームのプレゼントが用意されている。あの手この手である。オープンしてしばらくは、かなり混雑しそうだ。休日はやっぱり家がいちばんだが、ミートボールとソフトクリームに惹かれて物見遊山も悪くないかも。ぼくはもともとミートボールは大好物なのだし。
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