数ヶ月ぐらい前から味の素を使うようになった。何十年振りのことだ。
味の素は自分が子供の頃には身近な調味料だった。それがいつの間に使わなくなっていた。
のび太がジャイアンシチュー(ドラえもん13巻 てんとう虫コミックス)に振りかけていたのが「味のもとのもと」だ。どんな不味いものでも美味しくしてしまうところが、味の素のイメージと過激に重なる。
美味しいイメージの「アジノモト」が、なんとなく身体に悪そうなイメージにすり替わってしまった。「石油から作られている」とか「頭がバカになる」とか、かなり頓珍漢な話もあったような。
味の素の旨味成分であるグルタミン酸はさとうきびが主な原材料だ。そもそも、身体に悪いという科学的根拠は最初からどこにもない。
いつ、どのようにして悪いイメージが刷り込まれたのだろう。洗脳あるいは自己暗示にかかっていたのだろうか。
洗脳にせよ自己暗示にせよ、いったん目覚めたら掌返し、ついつい味の素を振りかけたくなる。これがパラダイムシフトというやつか。
昔からあったものの価値の再発見・正当な再評価で、世界観が変わるという意味合いなら、パラダイムシフトあるいはパラダイムリバース、平たく言えば温故知新。
レコードもそうだけど、自分はこのパターンが多い。行ったり来たりの、道草人生だ。
コメント