Aalto University
ほどほど、そこそこ
マグヌス・エンケル ぼくら夫婦は、フィンランドのタンペレ郊外とカーリスで2年ほど過ごしたあとの2005年、ヘルシンキの美術学校Taik(現アールト大学)の写真学科(Non-degree)に入学願書を提出した。 提出書類には、課題のポートフォ...
最上階の哲学者
Pimiö, TAIK Helsinki 2005 そのほか夜行獣館の動物については、何匹かがはっとするほど大きな眼をし、射るような眼差しを投げていたことだけが記憶にとどまっている。その眼差しは限られた画家や哲学者たちの、ひたすら眼を凝らし...
他力による扉ひらけ
フィンランドのバス停では、自分が乗るバスが近づいて来たら、手を挙げてバスの運転手に合図を送り、乗車の意思を伝えなければならない。だれも手を挙げず、かつ、降りる人がいなければ、バス停に人がいてもバスは通り過ぎる。
ヘルシンキに吸い込まれてしまった帽子
Helsinki Finland 2006 ヘルシンキにいた頃に帽子をなくしてしまったことがある。犬印鞄製作所の帆布製の茶色っぽい色の帽子で、つばにひらがなでうちの奥さんの名前が刺繍してあった。その日(2006年のたしか5月ごろ)、たまたま...
ヘルシンキでの火事と黒澤明の映画
VR:n makasiinit Helsinki 2006 2006年5月5日金曜日、その夜8時頃からEerikinkatuにある名画座ORIONで上映予定の、黒澤明の『白痴』を見るために、僕とうちの奥さんはヘルシンキ中央駅の前をのんびりと...
フィンランドでヒッチハイク
フィンランドに住んでいた時、一度だけヒッチハイクをしたことがある。世界遺産としても有名なVerlaに知人のJanneさんとJohnnaさんのサマーコテージがあって、僕とうちの奥さん、友達のJaakkoは、その年(2006年)のJohannus
古い記憶がよみがえる、A Village After Dark / Kazuo Ishiguro
Helsinki 2005 生まれつき三半規管の出来が悪いのか、子供の頃から方向音痴なところがある。加えて、フィンランドでもよく道に迷ったのは緯度が名古屋より高く地磁気の感覚が微妙にズレていたから、なんてことも原因だったかも知れない。 ヘル...
アールト大学(Aalto University) の「鉛筆と紙」
View from TAIK / Helsinki 2005 かつて、TAIK(タイキあるいはタイク)と呼ばれていたヘルシンキの美術大学(現在はフィンランドを代表する建築家でデザイナーでもあった、Aalto の名前を大学名にしている)がある...
マンネルヘイミン通りのストーリーテラー
Helsinki 2006 僕は外国にいると、見知らぬ人からよく声をかけられる、ような気がする。不慣れな外国で、突然声をかけられるので驚くのだけれど、そのことで嫌な思いはしたことがない。むしろそこに住む人々との偶然に発生するちょっとしたコミ...
ORIONで映画を観て、Coronaで紅茶を飲む
ORIONという映画館がヘルシンキにある。フィンランドのフィルム・アーカイブがコレクションした古今東西の名作映画を上映する映画館だ。日本の映画も数多くアーカイブされている。 黒澤明の映画をはじめて観たのもこの映画館だった。 黒澤明はフィンラ...