短篇小説

#011 トム・ゴドウィン「冷たい方程式」、生き延びることの意味

「トロッコ問題」または「トロリー問題」と呼ばれる「問題」があるらしい。「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という古くからある倫理学上の思考実験とのこと。最近では、アメリカの政治哲学者マイケル・サンデルの授業でもとりあげ...
短篇小説

#010 ヘンリイ・カットナー「住宅問題」、妖精の住宅事情

Helsinki 2006 「カリギュラ効果」という心理学用語がある。ローマ皇帝のカリグラが由来らしい。禁止されると、かえって興味が刺激され、やってみたくなるという心理のことだ。『創世記』のアダムとイブが、禁を破って善悪の知識の実を食べ、エ...
フィンランド

古い記憶がよみがえる、A Village After Dark / Kazuo Ishiguro

Helsinki 2005生まれつき三半規管の出来が悪いのか、子供の頃から方向音痴なところがある。加えて、フィンランドでもよく道に迷ったのは緯度が名古屋より高く地磁気の感覚が微妙にズレていたから、なんてことも原因だったかも知れない。ヘルシン...
スポンサーリンク
短篇小説

#009 スティーヴン・キング 「人間圧搾機」、悪魔祓いのアイテムに笑い恐怖する

VIRSI KIRJA at Tuomiokirkko in Tampere 2013ひょんな偶然が重なって悪霊が取り憑いたクリーニング店の「圧搾機」が、次々と人間を巻き込んで食べてしまう、というホラー。とんでもなくバカバカしい話だけれど、...
日々

鳥語力

雀同じ団地内の藪にある雀団地に生息していると思しき雀の一族が毎朝、僕を起こしに来てくれる。僕たち夫婦は雀らをまとめて「雀子(スズ子)」と呼んでいるが、窓を開けて雀子に「起きたよ、おはよう」と話しかけるところから、その日の雀語のレッスンが始ま...
フィンランド

フィンランドにエビフライを幻視したこと

僕は勝手な思い込みから勘違いをすることがよくある。特に視覚的に似ているものについて、認識の誤作動や類推を起こしやすい質みたいだ。名古屋で市バスや地下鉄を利用していると、「ハッチー」というマスコットキャラクターを所々で見かける。僕はこの「ハッ...
短篇小説

#008 レーモン・クノー 「トロイの馬」、イッセー尾形のバーテンダーが居そうな酒場で

Bartender at TELAKKA in Tampere 2013 「トロイの木馬」ではなく、「トロイの馬」である。酒場のカウンターに男と女、馬、バーテンダーがいる。男と女はお金に困っているらしい。競馬で散財したのかもしれない。シャル...
短篇小説

#007 アルフォンス・アレ「奇妙な死」、澁澤龍彦のお気に入り

Kumano Sea scapeところで、部屋に飾ってある「海の絵」から海水が溢れ出て氾濫し、溺れてしまう、というような話をついうっかりとでも信じることのできる人がいるだろうか?わたしの友人のアクセルセンは、立派な才能とセンチメンタルな気質...
日々

簡単に、すぐできて、美味しい、自家製豆乳ヨーグルトの作り方 『檀流クッキング』檀一雄のレシピから

自家製豆乳ヨーグルトヨーグルトが好きで毎日食べている。自分で作れないかといろいろと試したが、上手くできなかったり、レシピによっては意外とコストが掛かったりして長続きしなかった。数年前に檀一雄のレシピを知ってからは、このレシピで作り続けている...
フィンランド

シベリアから来たロシア人が絶賛した、ノースフェイスのスリーピングバッグ

Lärkkulla Finalnd 2005 今年の冬は暖冬だと思っていたら、先週末に寒波が「襲来」した。名古屋でも10センチの積雪で大騒ぎだ。そして今週末から大寒波がやって来るらしい。「去年の12月にはプラス10度Cぐらいだったのが、今年...
スポンサーリンク