短篇小説

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#011 トム・ゴドウィン「冷たい方程式」、生き延びることの意味

「トロッコ問題」または「トロリー問題」と呼ばれる「問題」があるらしい。「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という古くからある倫理学上の思考実験とのこと。最近では、アメリカの政治哲...
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#010 ヘンリイ・カットナー「住宅問題」、妖精の住宅事情

Helsinki 2006 「カリギュラ効果」という心理学用語がある。ローマ皇帝のカリグラが由来らしい。禁止されると、かえって興味が刺激され、やってみたくなるという心理のことだ。 『創世記』のアダムと...
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#009 スティーヴン・キング 「人間圧搾機」、悪魔祓いのアイテムに笑い恐怖する

VIRSI KIRJA at Tuomiokirkko in Tampere 2013 ひょんな偶然が重なって悪霊が取り憑いたクリーニング店の「圧搾機」が、次々と人間を巻き込んで食べてしまう、というホ...
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#008 レーモン・クノー 「トロイの馬」、イッセー尾形のバーテンダーが居そうな酒場で

Bartender at TELAKKA in Tampere 2013 「トロイの木馬」ではなく、「トロイの馬」である。酒場のカウンターに男と女、馬、バーテンダーがいる。男と女はお金に困っているらし...
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#007 アルフォンス・アレ「奇妙な死」、澁澤龍彦のお気に入り

Kumano Sea scape ところで、部屋に飾ってある「海の絵」から海水が溢れ出て氾濫し、溺れてしまう、というような話をついうっかりとでも信じることのできる人がいるだろうか? わたしの友人のアク...
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#006 イサク・ディーネセン「バベットの晩餐会」、フィルムも紙も美味しい

ハリウッドでフィルムを食べている羊に向かって山羊が「美味いかね?」と聞くと、羊が「原作(紙)の方が美味かった」なんていうジョークがあるように、映画(フィルム)を原作の小説(紙)を比べて良いとか、悪いと...
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#005 フィリップ・K・ディック 「猫と宇宙船」、猫の名前はノーマン

猫の肉球は、パソコンのキーボードとかリモコンのボタンを正確に打つようにはできていない。だから間違いもおこるし、飼い主にとっては不都合だ。その類のものは猫から遠ざけなければならない。これが実はなかなか難...
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#004 ピエール・ガスカール「小さな広場」、指先でぷにゅっとしたくなる

新明解国語辞典 第五版(小型版) フランスの小説家、ピエール・ガスカールの短編小説「小さな広場」を読んでいたら「膕」という漢字がでてきた。 ぼくはよく彼女の通り道で土いじりをしていたので、彼女の踵が顔...
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#003 スティーヴン・キング「魔性の猫」、ハチワレ猫の復讐

猫の顔は、まっぷたつに割れていた 片側は白く、片側はまっ黒だったのだ。黒と白をわかつ線はたいらな額のてっぺんから鼻の頭を抜けて口まで、一直線に走っている。 スティーヴン・キング「魔性の猫」白石朗 訳(...
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#002 カズオ・イシグロ「夕餉」、黄昏時のホラー

口の重い語り手、鎌倉の古い日本家屋。小津安二郎監督がラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の小説を映画にしたら、こんなふうになるのではないか。
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