短篇小説 #038 ジョン・チーヴァー「巨大なラジオ」村上春樹訳、ザブザブ読める ジョン・チーヴァー「巨大なラジオ」村上春樹 訳(『巨大なラジオ / 泳ぐ人』新潮社) たとえば1970年代日本で、陽の当たる屋上で寝転んでいる忌野清志郎(高校生?)の、内ポケットのトランジスタ・ラジオから流れてくるのは、リバプールやベイエリ... 2020.05.16 2024.11.20 短篇小説
フィンランド 赤いヤカンを探して、アキ・カウリスマキ『罪と罰(Rikos ja rangaistus)』 「処女作にその作家のすべてがある」と言い出したのは誰か知らないが、アキ・カウリスマキ(当時26歳)の処女長編映画『罪と罰(Rikos ja rangaistus)』(1983年)にはピッタリの言葉だと思う。 2019.12.18 2023.02.15 フィンランド
短篇小説 #031 半音階の和音のように、H・E・ベイツ「クリスマス・ソング」大津栄一郎 訳 雨の降るクリスマス・イヴの午後4時、レコード店の二階で声楽を教えるクララのもとに、一人の青年が訪れる。茶色のオーバー、茶色のソフト、こうもり傘、という出で立ちの青年は「クリスマス・ソング」を探している。 2019.12.13 2024.05.07 短篇小説
短篇小説 #029 おぬまたんのミステリ、小沼丹「黒いハンカチ」創元推理文庫 Voionmaan opisto Finland 2003 「こぬま」ではなく「おぬま」。「おぬまたん」とひらがなで記すと、どこかの地方のゆるキャラみたいだけれど、小沼丹は日本の小説家だ。 「黒いハンカチ」は、五月の好く晴れた日に、シューベ... 2019.10.17 2023.11.08 短篇小説
短篇小説 #019 H・E・ベイツ「歌う猫」、猫のスージーが歌うシューベルト そしてついには、すりつぶして油でいためた玉葱とソーセージ、アップルパイとクリームといった盛りだくさんな昼食をとったあと彼のアパートの古い揺り椅子にかけたまま眠りこみ、ふと目覚めると、飼い猫のスージーがシューベルトの『ディー・フォレレ』──つ... 2018.04.27 2023.11.08 短篇小説