Franz Schubert / フランツ・シューベルト

短篇小説

#038 ジョン・チーヴァー「巨大なラジオ」村上春樹訳、ザブザブ読める

ジョン・チーヴァー「巨大なラジオ」村上春樹 訳(『巨大なラジオ / 泳ぐ人』新潮社) たとえば1970年代日本で、陽の当たる屋上で寝転んでいる忌野清志郎(高校生?)の、内ポケットのトランジスタ・ラジオから流れてくるのは、リバプールやベイエリ...
フィンランド

赤いヤカンを探して、アキ・カウリスマキ『罪と罰(Rikos ja rangaistus)』

「処女作にその作家のすべてがある」と言い出したのは誰か知らないが、アキ・カウリスマキ(当時26歳)の処女長編映画『罪と罰(Rikos ja rangaistus)』(1983年)にはピッタリの言葉だと思う。
短篇小説

#031 半音階の和音のように、H・E・ベイツ「クリスマス・ソング」大津栄一郎 訳

雨の降るクリスマス・イヴの午後4時、レコード店の二階で声楽を教えるクララのもとに、一人の青年が訪れる。茶色のオーバー、茶色のソフト、こうもり傘、という出で立ちの青年は「クリスマス・ソング」を探している。
短篇小説

#029 おぬまたんのミステリ、小沼丹「黒いハンカチ」創元推理文庫

Voionmaan opisto Finland 2003 「こぬま」ではなく「おぬま」。「おぬまたん」とひらがなで記すと、どこかの地方のゆるキャラみたいだけれど、小沼丹は日本の小説家だ。 「黒いハンカチ」は、五月の好く晴れた日に、シューベ...
短篇小説

#019 H・E・ベイツ「歌う猫」、猫のスージーが歌うシューベルト

そしてついには、すりつぶして油でいためた玉葱とソーセージ、アップルパイとクリームといった盛りだくさんな昼食をとったあと彼のアパートの古い揺り椅子にかけたまま眠りこみ、ふと目覚めると、飼い猫のスージーがシューベルトの『ディー・フォレレ』──つ...
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