昨日、近所のスーパーに北海道産のサーモンフィレの新鮮なのが出ていた。
それを見てふと、2003年にフィンランドの国民学校の食堂で、その後恩師となるS.G.から初めて話しかけられたときのことを思い出した。
Do you eat mushrooms?
-Yes, I do.
Do you eat meat?
-Yes, I do.
Do you eat fish?
-Yes, I do.
ぼくの答えに、そうかそうか、とヘンリー・ワーズワース・ロングフェローのような、ほとんど白色化したブロンドの髭をふさふさ揺らして嬉しそうに微笑んでいた。
フィンランドの学生からはカレワラのウッコのごとく畏れられていた彼だったが、始めよければ終わりよしというように、2年ほど前、彼が78歳で鬼籍に入るまで、恩師と生徒というよりは、同級生の友達同士みたいな感覚で親交が続いた。
今でもまだ彼が亡くなった実感がわかない。ときどき下界に降りてきて、ぼくの様子を伺っているんじゃないだろうか。
サーモンフィレは彼の大好物だったし、恩師供養にあとで一切れ買ってこよう、そう思った瞬間、風がどうと吹いて来て、部屋に引っ掛けてある風鈴がチリンと鳴った。
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