ちょっと前に、名古屋市美術館でモネの『積みわら』をみた。
『積みわら』というタイトルだが、本当はわらではない。脱穀前の麦の穂を積み重ねたものらしい。図録にそうあった。
紡錘形に頭の尖った「積みわら」の大きのと小さいのが二つ、夕暮れ時のフランスの田舎を思わせる風景を背景に並んでいる。ただそれだけなのに、日没直前の燃えるようなオレンジとブルーの混じり合った空気感がなんとも神秘的だ。じっと見入ってしまう。
モネは『睡蓮』、が世間一般だろうが『積みわら』ものもいい。
どちらかお好きなほうを差し上げますよ、といわれたらどうしよう。
「仔猫の里親になってください。キジトラですか、それとも茶トラがいいですか」と選択を迫られるのと似ている。
じゃあ、こっちでお願いします。
『積みわら』ですね。かしこまりました。
とはならなかった、残念ながら。
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