
ビジネス手帖を愛用している。スケジュールとかではなく日々の雑念を書き留めている。ネタ帖というほどでもない雑念帖。
外山滋比古『思考の整理学』がきっかけだった。週間レフト手帖の見開き左側ページの1日のスペースに1つのメモを、右側のページに内容を箇条書きする。手帖1冊で365個以上のメモが蓄積する。余白にコモンプレイス的キーワードや色分けをすれば、検索力をアップすることもできる。
手帖とNotionを手動で連携するとデジタルでの検索も可能だ。実際にメモした日付とは別に、手帖に印刷してある日付をそのまま日付プロパティの日付と一致させている。
手帖のいいところは、何でも気軽にメモすることができることと、季節モノとはいえ事実上一年中入手できることだ。価格もだいたい1冊千円から千五百円前後と適価だ。
手帖を選ぶ基準は、週間レフト、手に馴染むサイズ感、糸綴じ、色は黒または赤、など。それで高橋書店のビジネス手帳1とNOLTYの能率手帳1普及版を使っている。
ペンホルダーの有無は気にしない。必要なら好みのペンホルダーを導入すればいい。自分は能率手帳1にミドリのミニクリップのペンホルダーを装着している。
ビジネス手帖は全体的な雰囲気が昭和のオジサンっぽいところがなきにしもあらず。人によっては好みの分かれるところだろう。仁丹の匂いのする金縁メガネをかけた昭和オジサンを想像してみたら、小学三・四年のときお世話になった担任の細野先生を思い出した。厳しいところもあったが優しくて冗談好きな面白い先生だった。
ビジネス手帖は書き留める道具として完成度が高い。薄くて高品質な紙質、柔らかい手触り。レトロな定番のデザインにも安心感がある。手帖の類はいろいろ使ったが、結局ビジネス手帖に戻ってくる。主義とは縁がないが、手帖に関してはビ手帖主義だ。
そうやって書き溜めたメモを寝かして、ときどき見返してみる。自分の頭の中身がいくぶんかは可視化されているはずだ。若い人には自分探しのツールになるかもしれない。コンポストのように手帖の中で雑念が発酵し、さらにまた新たな雑念を生み出す。雑念だらけの自分を発見する。

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