フィンランド

Tuomari Nurmioとアキ・カウリスマキ

アキ・カウリスマキの映画に、素のまま出演できそうな雰囲気の人物をときどき見かける。たとえば、フランスの小説家ミシェル・ウエルベック(1958-)、イギリスのシンガー・ソングライターのビリー・ブラッグ(1957-)、スロベニアの哲学者スラヴォ...
日々

十月の信頼できない海馬

マーティンは、秋がまたやってきたのを知った。犬が、秋の風と霜と、木の下で醸酵したリンゴの匂いをもって走りこんできたからだ。犬は、時計のゼンマイのようなその黒い毛のなかに、キリン草、夏の名残りのほこり、ドングリの殻、リスの毛、飛び去ったコマド...
フィンランド

目新しい親近感

HEL, Feb 2012「シベリヤはどうしてこう寒いのかね?」「神様の思召しでさ」と、がたくり馬車の馭者が答える。チェーホフ「シベリヤの旅」神西 清 訳(『シベリヤの旅 他三篇』所収)岩波文庫 「こんなところにも人間が住んでいるんだ」  ...
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日々

円頓寺のパン屋 芒種の旨いクリームパン

このあいだ、うちの奥さんと二人、ぶらっと自転車で名古屋駅界隈に向かった。名古屋市長選挙とか、フランス大統領選挙とか、メディアが煽る戦争勃発の恐怖とか、いろいろあるにせよ、ともかくよく晴れた気持ちのいい日曜日だった。新しくできたJRゲートタワ...
フィンランド

ヘルシンキの心地よい音の質

「心地よい音の質」というのが、フィンランドの、というかヘルシンキの第一印象だった。夕方の便で到着したヴァンター国際空港からフィンエアーの直行バスでヘルシンキ中央駅に向かい、駅の近くに予約していたホテルに、うちの奥さんと二人で歩いて向かってい...
フィンランド

ヘルシンキに吸い込まれてしまった帽子

Helsinki Finland 2006ヘルシンキにいた頃に帽子をなくしてしまったことがある。犬印鞄製作所の帆布製の茶色っぽい色の帽子で、つばにひらがなでうちの奥さんの名前が刺繍してあった。その日(2006年のたしか5月ごろ)、たまたま、...
日々

「アンナ・カレーニナ」を探して、トルストイ『アンナ・カレーニナ』望月哲男訳

The veiw from Pasilan silta Helsinki 2005 「復讐するは我にあり、我はこれを報いん」「ローマの信徒への手紙12-19」の主の言葉よりトルストイ『アンナ・カレーニナ』のエピグラフ(光文社古典新訳文庫) ...
短篇小説

#014 須賀敦子「わるいまほうつかいブクのはなし」、ほんとうのことを好きになる

世の中にはいろいろな規則がある。立場主義者が従っているのが東大話法規則であるならば、わるいまほうつかいになるために守らなければならないのが、この短い話に出て来る、五つのきそくである。ブクが死ぬことになったのも仕方のないことでした。まだ髪のく...
フィンランド

3分半のポップソング、ほぼ3年のフィンランド

高校1年が終わった春休みに出会ったThe Smiths(ザ・スミス) のアルバム "MEAT IS MURDER" を、30年以上たった今でもときどき聴いている。抑揚の少ないモリシーの声、それにジョニー・マーの魅力的なギターサウンドは、それ...
短篇小説

#013 スワヴォーミル・ムロージェック「象」、ポーランドにおける東大話法の一事例

最近「東大話法」という言葉を最近知った。「自分の信念ではなく、立場に合わせた思考を採用」し、「自分の立場に沿って、都合の良い話をする」無責任で欺瞞的な話術のことだ。高級官僚や政治家、大手マスコミ、財界人、学者などが得意とし、特に東大出身の学...
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