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キッコーマンのしょうゆ卓上びん

フィンランド
キッコーマンのしょうゆ卓上びん
キッコーマンのしょうゆ卓上びん, Helsinki Finland 2004

醤油で満タンになったキッコーマンのしょうゆ卓上びんを見ていると、タートルネックのセーターを着た、おちょぼ口の人みたいだ。

その馴染みある醤油瓶が、フィンランドの国民学校の食堂で、異国の調味料と並んで乙に澄ましているのを見た時は、近所の道端で集会を開く猫たちの中に、自分が飼っている猫を見かけたときのような、親近感とよそよそしさが入り混じった不思議な気分がした。

シラク仏大統領に、イギリスより不味い、と揶揄されたこともあるフィンランドの料理だが、日々いただいていた学食の食事は、わりと美味しかった。ただ、味付けが全体的に薄く、よく醤油をかけていたことを思い出す。

一見、バタフライっぽいフォルムは柳宗理かと思ったら、工業デザイナーの榮久庵憲司によるもの、ということを最近知った。フィンランドと縁のあった人のようで、2004年には、フィンランド獅子勲章を受賞している。

姿形にうるさいフィンランド人も一目置く、眉目秀麗、容姿端麗なキッコーマンのしょうゆ卓上びん。ところで、あのフォルムは、やっぱり日本酒の徳利から来ているのだろうか。

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