郵便局内のATMで順番を待って並んでいたときのこと。
年配のおばさんが、ピッピピッピ、カサカサ、チャリチャリとATMを操作していた。
急にATMが何か叫んだと思ったら、郵便局のカウンターから人が駆けつけてきてATMの蓋をガシャと開けた。
後ろから覗き込むと、歯車やなんかの精密機械が黒々と詰まっていた。そこに白い紙切れが散り散りに食い込んでいる。
表向きは温和だが深い闇を抱えた人の心、を見てしまったようだ。
ちぎれた紙切れを取り除いていた郵便局の人が、並んでいるぼくらの方に振り返って言った。「カウンターの方でお願いします。時間がかかりますから」
そりゃそうだわな、と思った。
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