近所のスーパーのパンコーナーに、カーラ・ブレイにそっくりな店員さんがいた。
その店員さんの髪の色が完全な白髪であることを除けば、ストレートミディアムの髪型といい、顔つきといいカーラ・ブレイにとてもよく似ていた。
カーラ・ブレイの髪は目の覚めるようなブロンドだった。白髪の印象があるのはECMのモノクロジャケットのせいだろうか。
また、実際に見た訳ではないが、吸血鬼カーミラともイメージが重なる。Carla と Carmilla。
カーミラの髪の色は何色だっただろうと、昔読んだ平井呈一の訳によるレ・ファニュの創元推理文庫を探したが、あるはずのところに見当たらない。どこへいっていしまったのだろう。
ところで、世界にはそっくりな人が三人いるといわれるが、そのうちの一人かもしれないカーラ・ブレイ似の店員さんの姿を、夏の終わり頃から見かけなくなってしまった。
パンコーナーで見かけるたびに、“Lawns”のメロディーが脳内で自動再生され、気分が浄化されるようだった。ちょっと寂しい。
そこへ最近カーラ・ブレイが亡くなったという知らせが。女帝カーラ・ブレイ、死ぬような気がしなかったのに。
とはいえ、カーラ・ブレイの音楽はある。人生は続いていく。
I’m like a slow sponge, I take in ideas from everywhere, and when I eventually find my notes, I know they’re the right ones.
Carla Bley – ECM Records
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