Ray Bradbury

日々

正文館書店で『吸血鬼は夜恋をする』に遭遇

正文館書店 本店 本好きの知人から、名古屋の東片端にある正文館書店本店が、六月で閉店し取り壊しされると聞き、日曜の午後遅く、うちの奥さんと連れ立って、江戸時代には武家屋敷があった界隈に店舗を構える書店まで20分ほど自転車を走らせた。 せっか...
フィンランド

あいまいなフィンランドの11月

Unknown place, Helsinki Finland November 2005 フィンランドの11月は……、特に何もない月、という印象だ。 10月の初雪なんかなかったかのように、雨がポショポショと降るし、クリスマスにはまだ日があ...
短篇小説

#020 レイ・ブラッドベリ「階段をのぼって」、子供だった時のまま待っている

夜、畳に敷かれた布団に入り左側にからだを向けると、すぐ眼の前にガラスのふすまがあった。ガラスには宇宙の星々を思わせる模様があり、入側の外の街灯の光がガラスの星々の背後に重ねて映す庭木のゆらぐ影を、ぼんやりと眺めているうちに、ぼくは眠りに落ちるのだった。
日々

十月の信頼できない海馬

マーティンは、秋がまたやってきたのを知った。犬が、秋の風と霜と、木の下で醸酵したリンゴの匂いをもって走りこんできたからだ。犬は、時計のゼンマイのようなその黒い毛のなかに、キリン草、夏の名残りのほこり、ドングリの殻、リスの毛、飛び去ったコマド...
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