フィンランドに来て、まだ間がない頃のこと。カメラ好きのフィンランド人の同級生たちとおしゃべりをしていて、「ナイコン」という言葉をよく耳にした。
何のことだろうと思い、あるとき「ナイコンって何?」とたづねたら、そのうちの一人に「ナイコンを知らないのか、君の国の偉大なカメラのことじゃないか、どうなっているんだ」と言われた。
ぼくが「ニコンのこと?」というと、相手が「えっ?」となって、「日本ではニコンって呼ぶんだね、フィンランドでは皆、Nikonをナイコンと呼んでいるから」ともじもじしていた。
余計なことだったなと思い、「ごめん、ナイコンかニコンかどっちでもいいことだよ」と言った。と同時に、ニコンのことをそんなに好きになってくれるフィンランド人の同級生たちに対して、ありがとう!という気持ちで一杯になった。そして、ぼくもフィンランドにいる間は、Nikonのことをフィンランド式にナイコンとよんでいた。
ちなみに、フィンランドで体験したごく狭い範囲に限っていえば、同じ日本のカメラメーカーでも、キヤノンよりニコンのほうが好まれていたようだ。どうしてなのだろう。
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