……ところがです。ドアを閉じてから、向う側で、ジャクスンはくっくっと笑ったのです。ただの笑い方ではありませんでした。
アイザック・アシモフ「会心の笑い」池央耿 訳(『黒後家蜘蛛の会 1』所収)創元推理文庫
アールト大学でドキュメンタリー映画を学んでいたフィンランド人の友人が、初めて日本にやってきて、久しぶりに再会したときのこと。
彼が、(英語で)小津安二郎の日本とぜんぜん違う。どうしてなのか? という主旨の、現実とフィクションの間を縫うスラップショットな質問を放ってきた。
That’s a good question. It’s a long story.
とカット打法で答え、かろうじてファールに逃げると、
彼はくっくっと笑った。
さらにできるようになったな、サヴォ人め、と思った。
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