短篇小説

#015 サキ「スレドニ・ヴァシュタール」、口うるさい女性に対する無口な反逆

Ylinen Finland 2003病弱で奔馬のような想像力の持ち主である10歳の孤独なコンラディンが、従姉で保護者の口うるさい「あの女」ミセス・デ・ロップに「絶対内緒」で飼っていたもの、それはフーダン種の牝鶏と大イタチのスレドニ・ヴァシ...
日々

スマートフォンと鼻くそほじり

raitiovaunussa Helsinki tammikuu 2004「あれか? わからん。けど、こうじゃないかと思うことはある。いいかい、あのサブロボットはデイブの〈指〉なんだ。いつもそう言ってきただろう。で、思うにだ、デイブが気が触...
フィンランド

フィンランド人と血液型

自分自身の血液型を知っているフィンランド人に出会った例がない、というのは偶然だろうか。フィンランド人との会話の中で、あなたは自分の血液型を知っていますか? と、おっかなびっくり尋ねてみたことが何度かあったが、首をかしげるばかりではっきりと答
スポンサーリンク
スウェーデン

麺をすする音

Stockholm 2003フィンランドとスウェーデンを旅行していたとき、矢野顕子ではないが、無性にラーメンが食べたくなったことがある。ところが、滞在中のストックホルムのホステル近くのスーパーマーケットには、スープのないタイプのインスタント...
フィンランド

KarōshiとAvantouinti

Hanko Finland 2003「日本では働きすぎで死んでしまう人がいるって聞いたけど、本当なの?」留学先のフィンランドで受講していた英語クラスで、先生のEricaさんが、ロシア人、リトアニア人、ウクライナ人、中国人そしてフィンランド人...
フィンランド

IKEAのミートボール

『IKEA 2018 やっぱり、家がいちばん』先日、郵便受けに約20センチ四方、厚さ1センチほどのカタログが投函されていた。表紙に大きな白い字で「IKEA®」とある。
フィンランド

Tuomari Nurmioとアキ・カウリスマキ

アキ・カウリスマキの映画に、素のまま出演できそうな雰囲気の人物をときどき見かける。たとえば、フランスの小説家ミシェル・ウエルベック(1958-)、イギリスのシンガー・ソングライターのビリー・ブラッグ(1957-)、スロベニアの哲学者スラヴォ...
日々

十月の信頼できない海馬

マーティンは、秋がまたやってきたのを知った。犬が、秋の風と霜と、木の下で醸酵したリンゴの匂いをもって走りこんできたからだ。犬は、時計のゼンマイのようなその黒い毛のなかに、キリン草、夏の名残りのほこり、ドングリの殻、リスの毛、飛び去ったコマド...
フィンランド

目新しい親近感

HEL, Feb 2012「シベリヤはどうしてこう寒いのかね?」「神様の思召しでさ」と、がたくり馬車の馭者が答える。チェーホフ「シベリヤの旅」神西 清 訳(『シベリヤの旅 他三篇』所収)岩波文庫 「こんなところにも人間が住んでいるんだ」  ...
日々

円頓寺のパン屋 芒種の旨いクリームパン

このあいだ、うちの奥さんと二人、ぶらっと自転車で名古屋駅界隈に向かった。名古屋市長選挙とか、フランス大統領選挙とか、メディアが煽る戦争勃発の恐怖とか、いろいろあるにせよ、ともかくよく晴れた気持ちのいい日曜日だった。新しくできたJRゲートタワ...
スポンサーリンク