短篇小説 #031 半音階の和音のように、H・E・ベイツ「クリスマス・ソング」大津栄一郎 訳 雨の降るクリスマス・イヴの午後4時、レコード店の二階で声楽を教えるクララのもとに、一人の青年が訪れる。茶色のオーバー、茶色のソフト、こうもり傘、という出で立ちの青年は「クリスマス・ソング」を探している。 2019.12.13 2024.05.07 短篇小説
フィンランド 夜中の散歩 真冬のフィンランドで深夜、一人っきりで近所の森林の中を散歩したことがある。散歩コースは、民家、畑や牧場のエリアと、それ以外の他3分の1ほどが森林に囲まれた、全体としてわりあい平坦な道のりで、時計回りに一周すると小一時間かかる。 2019.12.11 2024.05.06 フィンランド
日々 本の虫 稀覯本でもなく、ごく普通の本なのだけれど、できれば古本で入手したいと思っている本の私的「手配リスト」がある。すぐに見つかり、リストから消去されるものもあれば、どういうわけか、なかなか出会うことのできない難物もある。 2019.12.05 2023.09.21 日々
収録作品 収録作品:H・E・ベイツ『クリスマス・ソング』大津栄一郎 訳(福武文庫) A Christmas Song by H. E. Bates クリスマス・ソングA Christmas Song軽騎兵少佐The Major of Hussars水仙色の空The Daffodil Sky豊穣の麦The Good Corn... 2019.12.05 2023.11.09 収録作品
収録作品 収録作品:清水義範『国語入試問題必勝法』講談社文庫 カバー装画 山藤章二猿蟹合戦とは何か国語入試問題必勝法時代食堂の特別料理靄の中の終章ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮いわゆるひとつのトータル的な長嶋節人間の風景 あとがき 解説 丸谷才一 カバー装画 山藤章二 2019.12.05 2023.11.09 収録作品
フィンランド タンペレのNISHIKI NISHIKI, Tampere Finland 2003はるばる日本から運搬され、税関も無事通過したNISHIKIは、意気揚々とフィンランドに上陸する。雪道走行用のタイヤに換装し、秘密の使命を帯び、故郷に錦を飾るべく北欧の地を駆け回る。し... 2019.12.03 2023.09.21 フィンランド
日々 落葉コレクション Helsinki 2005このたびは幣も取りあへず手向山紅葉の錦神のまにまに菅家近所の公園で女の子たちがぶらんこを漕いでいた。フラゴナールの絵画ではないけれど、木漏れ日の陰にキューピッドがひそんでいそうな光景だった。その傍らに自転車があって... 2019.11.26 2023.03.12 日々
短篇小説 #030 ジュンパ・ラヒリ「セクシー」、粉のかけ方に感心した Helsinki 2012一月のある日、ボストンのデパート〈ファイリーンズ〉の化粧品売り場で、客としてたまたま居合わせた男が、若い女に粉をかける。ミランダは二十二歳。大学卒業後、故郷のミシガンを離れ、ボストンの公共放送のラジオ局に勤めている... 2019.11.22 2023.11.08 短篇小説
日々 毎朝シンディ Jyväskylä 2012うちの奥さんは、 本人は全く気づいていないようだが、毎朝、固くなったジャムの瓶の蓋を開けるときシンディ・ローパーの顔になる。そのことを言わずに20年以上経ってしまった。せっかくなのでもうしばらく黙っていようと思う... 2019.11.22 2024.10.15 日々