妻がお風呂からあがって、ザブザブ、ザブザブ、と全裸のままエアー泳ぎをして部屋に入ってきた。
クロール? と聞いたら、
バタ足、と答えた。
よく見たら、エアービート板も使っていた。
ザブザブ、ザブザブ……。
To be embraced and sustained by the light green water was less a pleasure, it seemed, than the resumption of a natural condition, and he would have liked to swim without trunks, but this was not possible, considering his project.
John Cheever, “The Swimmer” (New Yorker, 1964)
淡い緑色の水に包まれ支えられることは、喜びというよりも、自然な状態への回帰に思えた。トランクスなしで泳げたらいいんだがなと彼は思った。しかし今回の計画に関してはそいつは不可能だ。
ジョン・チーヴァー「泳ぐ人」村上春樹 訳(『巨大なラジオ / 泳ぐ人』所収)新潮社
コメント